「夫が分かってくれない」そのモヤモヤの正体は、心の中の「幼い私」かもしれません

夫婦・パートナー

「なんで私ばっかり頑張ってるの?」 「夫は、私の大変さを全然分かってくれない」

仕事に家事に育児に追われる日々の中で、そう感じたことは一度や二度ではないでしょう。
かつての私も、そのモヤモヤに苦しめられていました。

あの頃の私は、夫が自分の気持ちを察し、何も言わなくても行動してくれることを無意識に期待していました。そして、ある日ハッとしたのです。

「もしかして私、夫に“理想の母親”を求めていたのかもしれない」と。

無意識に夫をコントロールしようとしていた過去

アドラー心理学を学び始めたとき、私の心の中にある“生きづらさ”の原因が、少しずつ言葉になっていきました。そして、私の心がどこか幼いままだったことにようやく気づけたのです。

過去の私は、夫に対してこんな願望を抱えていました。

  • 夫は私のために行動すべき
  • 夫は私の意見と同じはず
  • 夫は私を経済的にも精神的にも完璧に支えるべき

これは、まるで自分の欲求をすべて満たしてくれる「母親」に対する願望そのものです。その頃の私は、この願望が満たされないと、夫への不満や怒りとして表現され、無意識に夫をコントロールしようとしていたことに全く気づいていませんでした。

「私を幸せにして」という心の叫び

「リモコン取って」「洗い物しておいて」「子どものプリント見ておいて」

夫に頼みごとをして、やってもらうのが当たり前。それなのに、仕事の比重が高い夫に対し、「私ばっかり頑張ってるのに、あなたは仕事だけしてればいいと思ってるの?」と、さらに夫を責め立てていました。

そんな私の発言に、夫の態度はどんどん冷めていきました。返事は必要最低限。私の話には興味を示さない。私はそんな夫の態度にさらに腹を立て、心の中で叫んでいたのです。「なんで、私を愛してくれないの?」と。

あの時の私は、自分の人生の責任をすべて夫に押しつけ、「私を幸せにする責任はあなたにある」と全力で依存していたのです。

アドラー心理学がくれた視点の転換:課題の分離

そんな時に出会ったのが、アドラー心理学の核心的な考え方の一つ、「課題の分離」です。

これは、「それは誰の課題なのか?」を問いかけることで、人生の責任の所在を明確にする考え方です。

例えば、「夫が家事を手伝ってくれない」という悩み。

  • 家事を手伝うかどうかは、夫の課題
  • それをどう伝えるかは、自分の課題
  • 伝えた後、夫がどうするかは、やはり夫の課題

私はこれまで、夫の課題にまで踏み込み、「あなたはこうすべき!」と無意識にコントロールしようとしていました。しかし、人は他人の感情や行動を変えることはできません。

この事実に気づいたとき、私はようやく「自分の人生を自分で生きる」という覚悟が芽生え始めたのです。

夫は「所有物」ではなく「尊重すべき仲間」だった

アドラー心理学にはもう一つ大切な考え方があります。
「共同体感覚」—相手を仲間だと感じ、お互いに貢献し合う感覚です。

私は今まで、夫を「自分の理想を満たすための存在」として見ていたのかもしれません。でも実際は、夫も一人の人間であり、私と同じように、仕事で疲れたり、悩みを抱えたりしながら、人生を懸命に生きている「尊重すべきパートナー」だったのです。

夫を「自分の所有物」ではなく、「尊重すべき仲間」として見るようになってから、私の心は穏やかになっていきました。

「幼い私」を否定せず、抱きしめることから始まる

アドラー心理学を通して、私は自分の心の未熟さを認め、責めることをやめました。

「幼いまま大人になってしまって、大変だったよね。よく今まで無事に生き延びてきたね」

甘えたかった気持ちや、愛されたかった欲求を「なかったこと」にしないであげる。
それが、依存を手放し、精神的に成長するための第一歩でした。

今の私は、夫を一人の人間として尊重し、支え合える仲間として見れています。

「なんでやってくれないの?」という不満ではなく、「やってくれてありがとう」と心から感謝と尊敬の気持ちが湧いてきます。

夫に変わってほしいと願っていたけれど、変わるべきだったのは、私の“心のあり方”だったのです。

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夫婦関係は、私たちが最も深く学び合える「小さな社会」です。

もし今、あなたが「なんで私ばっかり?」というモヤモヤを抱え、夫への不満が尽きないとしたら、それはアドラー心理学による視点の転換が必要なサインかもしれません。

私がそうであったように、自分の心の癖に気づき、依存を手放すことで、夫婦関係は驚くほど穏やかで温かいものに変わります。

アドラー心理学ベースのカウンセリングで、あなたが「完璧な妻」を目指すことをやめ、「今の私」で大丈夫だと思えるように。そして、夫を尊重し、対等なパートナーシップを築けるよう、私が全力でサポートいたします。

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