子どもの問題行動に「自分の過去」を見る
「どうしてうちの子は、こんなにこだわりが強くて、気持ちの切り替えができないんだろう…」
長男の激しい癇癪にどう向き合えばいいのか分からず、私自身が感情的になり、深く自己嫌悪に陥る日々が続いていました。
当時は、子どもの行動だけを直そうと必死でしたが、アドラー心理学のライフスタイル分析を受けたことで、子どもの悩みと私自身の過去が強く繋がっている瞬間に直面したのです。
もし、あなたも子育ての悩みを抱えているなら、それは「あなたの幼少期の頃のあなた」が、解決してほしくて送っているサインかもしれません。
ライフスタイル分析とは?:無自覚な「人生の運動の線」を知る
アドラー心理学におけるライフスタイル分析は、私たちが幼少期に無自覚に形成した思考や行動のパターン、つまり「人生の運動の線(羅針盤)」を探る心理療法です。
具体的には、以下の3つの要素を、幼い頃の思い出(早期回想)や家族構成などから読み解きます。
- 自己概念: 自分をどう見ているか
- 世界像: 世界(他人や環境)をどう見ているか
- 自己理想: どんな自分になりたいか
この分析の目的は、私たちが生き抜くために身につけたパターンを自覚し、より健全な「共同体感覚(他者への関心や貢献)」のある生き方へと導くことです。
分析で見えた「生き抜くための処世術」
私の分析では、長男との関わりで悩んでいた「気持ちの切り替えの難しさ」の根っこに、私自身が幼少期に身につけた“処世術”があることが分かりました。
それは、「言葉で伝えてもダメなら、感情(泣く、怒るなど)で動かす」という、一種のサバイバルスキルです。
カウンセラーの方から、「それはあなたが大変な環境の中で、生き抜くために繰り返し練習し、身につけたスキルなんですよ」と言葉をかけていただいた瞬間、私は深く救われました。
ずっと、過去の自分を「幼稚で無力で恥ずかしい存在」だと否定し続けてきたからです。
過去の自分を受け入れたとき、子どもの課題が見えた
カウンセラーからの温かい言葉で、初めて「過去の自分を肯定していい」と感じることができました。
そして、この気づきは、長男への「まなざし」を劇的に変えました。
「長男は、過去の私と同じように『感情の処理方法が分からない』だけなんだ」
そう気づいたとき、「長男を受け入れること」が、そのまま「幼い頃の自分を受け入れること」に繋がっていると強く実感したのです。
長男は、私に「自分の課題」を見せてくれていたのかもしれません。
- 長男が困っているとき、代わりに言葉で表現する練習を一緒にすること。
- 感情以外の伝え方を一緒に練習していくこと。
そう決意できたことで、子どもの問題行動ではなく、「今、私たちがどう協力して生きていくか」という未来に目を向けられるようになりました。
自分は変わると「決める」勇気
アドラー心理学は「人は死ぬ直前まで変わることができる」と教えてくれます。
ただし、それには勇気が必要です。そして何より、「自分は変わる」と決意することが最も大切です。
ライフスタイル分析を受けたことで、私は「変われる自分」を信じられるようになりました。
子どもと向き合うことは、自分自身と向き合うこと。
あなたの幼少期の思い出の中にも、今の子育てや人間関係の悩みを解くための大切なヒントが、必ず隠れています。
あなたも、過去の「生き延びるための知恵」を、これからの人生を豊かにするための「勇気」に変えてみませんか?


コメント